男性ホルモンと運動成績の関係と男性更年期

投稿日:2018年4月29日|カテゴリ:Drブログ

国際陸上競技連盟は、2018年の4月27日、リオデジャネイロ五輪の女子800メートルで金メダルを獲得したキャスター・セメンヤ(Caster Semenya、南アフリカ)を標的に、男性ホルモンの上限値を設定した。

生まれつき男性ホルモンが多いために、競技で勝ってしまうのが理由のようである。

医療でも男性ホルモン治療が行われている。 一般的に対象は、中高年の男性で男性ホルモンの値が基準値よりも低く、疲れやすい、やる気がでない、精力減退などの症状がある、わかりやすく男性更年期といわれる症状のある人には男性ホルモン治療を行う。

泌尿器科の先生が中心になって提唱している疾患なので、 一般の男性で知っている方は多くない。スポーツ選手や、ウエイトトレーニングをしている人たちにとっては、男性ホルモン治療に関して知らない人は少ない。

競技や団体によって、男性ホルモンを使うことは固く禁じられている。一方で、使うことを禁止する決まりのない競技やスポーツもある。大っぴらに使っていいわけではないが、使っている人が一定数いるのも理解されている。

筋肉外来なる看板を掲げて、 そういった選手には男性を対象にしているクリニックがある。

ドクター小池クリニックの患者さんの中でも、 昔からウエイトトレーニングをしていたけれども、中年になって筋肉がなかなかつかないという男性がいる。それでも同年代よりはがっちりした体型をしているけれど、実際男性ホルモンを測ってみたら、基準値の低値よりも低く、さらに10代上の世代の基準値の低値に相当した。

私はスポーツ選手や格闘家の顧問ドクターをしているが、彼らの話を聞いていると、その周りで男性ホルモンを注射している人の話を聞くことがあるという。 私の経験も踏まえると、男性ホルモンの効果はすごい。 特に筋トレをしていなくても、体に筋肉がつくのだ。ましてやトレーニングをしている人だと、限界が来ていても、あっさりと限界を超えることができる。 これは女性のアスリートにおいても当てはまる。

だから、セメンヤ選手をきっかけに、規制することがいいことか悪いことかはさておき、男性ホルモンの値が高いことが競技に影響を及ぼすことは間違いないと考えられる。

こういう話をすると、ドーピングのようなことをやってくれると勘違いして問い合わせがあるが、私の所ではお断りしている。

あくまで健康増進、昔のパフォーマンスを取り戻すことが目的だ。現役を離れたスポーツ選手や、老いを感じている先輩ドクター、あるいは小池自身、自分の体を使って、普段あまりやらないようなやり方で治療をすることはしている。

クリニックには、若さやパフォーマンスを保つための治療はいくつもあるが、男性ホルモンをその一つとして有効である。

男性ホルモンの治療を推奨をしているわけではない。

ただし男性ホルモンによって、 体の疲れや体型の変化、パフォーマンスの低下が実際あるのは事実なので、一度は男性ホルモンの値を確かめることをおすすめする。

しかし、検査結果の基準値と比べて、男性ホルモンが高い低いという目安をつけるのも大事なのだが、全盛期の時からどれだけ下がったかも大事である。極端な話で言うと、基準値に入っていたとしても以前が相当高かった場合、その差が大きいのでやはり更年期症状を感じる方もいる。逆に、基準値の下の方であっても、元々があまり高くなかった場合はそれほど症状を感じない方もいる。

採血の結果、全般に言えることなのだが、誰もそれを知らない。

どこで検査を受けてもいいとは思うが、 過去から現在までを一元化して管理し、指導してくれる医者を見つけようとはしない。

大学病院にずっと通っていると安心している人も誤りである。

大学病院の課せられた使命をご存知だろうか。教育、 研究、臨床の3つである。教育の場であるから、医師は関連病院に定期的に配置される。 カルテは残るが、一人の医師がずっと見続けるということはあまりない。

かかりつけ医を、 家の近くのよく行く内科の先生と思っていると、私が思う必要な生活指導や、病気指導を受けられない。

分かっている人は、自分や家族のために顧問ドクターを用意している。何か悩みがあれば、 どこの病院に行った方がいいのか、どういう検査を受けた方がいいのかを指示してくれる。そして長年見てきた状態と、行った先の検査結果報告書を含めて、総合的に判断しさらに指示を出してくれる。

話は脱線したが、男性で若い時と比べて、以前のような元気がなくなったと自覚している方は、難しい検査ではないので男性ホルモンの値を一度測った方がみることをお勧めする。

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