健康診断や人間ドックの被曝リスクを考えたことありますか?

投稿日:2018年5月1日|カテゴリ:Drブログ

健康診断を受けていますかと尋ねると、はい受けています、人間ドックもちゃんと受けています、という方がいます。

大体が満面の笑みで、ペット CT も受けています、バリウム検査も受けています、胃カメラもやっています、なんでもやっています、とおっしゃいます。

「へー、そうなんですね。福島の原発の事故は心配だったのに、放射線がたくさん出る検査は安心なんですね。癌が心配で受けているのだと思いますが、ガンを見つけるためだったら多少の放射線もやむを得ないですよね。」

放射線検査を推進するところは、「大抵がその程度の被曝量だと本当に癌のリスクを高めるかどうかは明らかではない。」みたいに言っています。「そもそも2人に1人、3人に1人が癌になります。放射線の影響がどれだけあるのでしょうか。それ以外のがんのリスクの方がよほど問題だ。」ということも言っています。

我々医療従事者は、放射線の出る部屋に入るときは、袖がないコートのような形の、2~3kgある鉛のプロテクターを着ます。治療や検査の間、臓器や血管を液晶モニターに映し出すため、放射線が絶えず放出されています。

例えばバリウム検査は、胸のレントゲン数十枚、数百枚分相当の放射線量ということはご存じでしょうか。

また、臓器や血管を立体的に映し出す高性能な CT もあります。それだけ細かく見られるということは、それだけ多く放射線を当てているという可能性を考えたことはありますか?

検査を受けない方がいいと言っているのではありません。

検査を嬉々として受けている方を見ると、リスクのことを考えているのか疑問です。何らかの検査で明らかに異常があると思われる場合に、放射線検査でその状態や広がりを見ることは必要だと思います。

しかし何の異常もないのに、リスクを全く考えず、高いお金を払って検査を受けている人はもしかしたら、精神に何らかの不具合をきたしている可能性があります。

さらに健康診断や人間ドックでは不思議なことがあります。

例えば胃にポリープがあるとします。検査結果の表だけを渡されて、特段何も指摘されないことがあるようです。

健康診断や人間ドックは受けるのが目的です。

受けて安心するのが目的です。

検査のリスクや、検査の意味があるなしや、検査結果の精密な評価や、その後に適切な指示があるかないかは、受けている人には全く関係がない話なのでしょう。

私も患者様とお話しさせていただく時に、どの程度の知性があるのか、 精神異常がないのか確かめるために、このような話をすることがあります。ほとんどの方は、今までと違う視点の話を聞くと、理解されます。理解の悪い方でも、諦めずに時間をかけて分かりやすく説明するようにしています。

理解できない方は、「最近のバリウムは味がついて飲みやすくなった!」「ゲップが抑えるのはつらいけど我慢!」と言いながら、笑顔で検査を受け続けることが良いのかもしれません。

 

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